スティーブン・キング原作『ショーシャンクの空に』

高校生のとき、「月に映画を30本観るぞ」と意気込んで、3ヶ月くらいで挫折したことがある。
ちょっくらペースがキツすぎた。
その時期に観た中の一つが、この映画である。

今では有名すぎる映画だが、上映当初の興行収入はそれほど振るわなかったらしい。

過去を振り返って幸福に

ブルート通信174の【映画の一言】コーナーで取り上げたのが、名優モーガン・フリーマンの

「わからなくてもいいことがある」

である。
まさにそう。

たとえば、覚醒剤は一生わからなくていい。
ヘロインは、死ぬときに使うかもしれないから断言はできない。

映画自体は、小学生くらいだと刺激の少し強い描写かもしれない。
中学生くらいならフィクションとはいえ、「こういう世界もあるのだから、今住んでいる日本がいかに恵まれているか」を知るにはいいのではないか。

今ばかり見ているから、不幸な気持ちになりやすい。
過去を振り返れば、幸福になれる。

忘れることは悪か?

若いときに映画を見まくれ、と本に書かれていた。
妙にピンと来て、今でも覚えている。

主人公が手紙を送り続け、ついに刑務所の図書館増設の寄付が決まったエピソードがある。
今の私も同じようなことをブルート通信で行なっている。
引用させてもらっている明鏡国語辞典の大修館書店、新明解国語、故事ことわざ、四字熟語辞典の三省堂などに毎月送付している。
いつかブルート通信に広告を入れていただけるかもしれない。
そういう希望を持って生きていると、楽しく生きられる。
これもひょっとしたら、映画の影響かもしれない。
内容を忘れていたとしても、身体には一度入っている。
だからどこかのキッカケで、映画は人生に影響を与えているのかもしれない。

実際久しぶりにこの映画を見たものの、3分の2くらいは内容を忘れていた。
もちろん結末も。

だから、最初に観たときと同じような感動を味わえた。
ラッキーである。
忘れることはマイナスに捉えられがちだが、悪いことばかりではない。