高一の時、ケーブルテレビの映画専門チャンネルを視聴できた時期があった。せっかくなので映画を一日一本観ようと決めて挑戦した。
三ヶ月弱で挫折したが、それでも60本以上は観賞できた。その中の一本が、ロバート・デ・ニーロの出世作である『タクシードライバー』だ。
キッカケは具鷲逸品集
私はブルート通信というメディアを持っている。その中で具鷲逸品集というコーナーがある。
ブランドに関わらず、思い入れのある品を毎月紹介している。最新号では、タクシードライバー役のロバート・デ・ニーロのポストカードを紹介した。これも縁だと思い、ひさしぶりに名作を観ることにした。
佐藤嘉洋ランキングについて
ちなみに私は、グラビアアイドルの画像収集も趣味である。佐藤嘉洋ランキングと名づけて公言してからというもの、世界中から美女の画像が送られてくるようなった。
今作にもとんでもない美女が二人出ていたので、紹介しておきたい。
矛盾した世の中
映画というのは観たときの自分や年代、環境などによっても感じ方が変わる。高一の時は、まだまだ経験不足の小僧だった。これは大人向けの映画だ。
しかしながら訳がわからなくとも、流れている映像や音楽、なんとなくの物語がわかっていれば、とりあえずそれでいい。
観なければゼロだが、観れば少なくともゼロではない。ゼロか否かでは、天と地ほどの差がある。それがたとえ0.1だったとしても。
高一だった私も四十歳という不惑を過ぎ、貴い経験もくだらない経験もした。今の自分はどう捉えるのか。まず、新明解国語辞典の「世の中」の語釈が頭に思い浮かんだ。
世の中
【 新明解国語辞典第八版 】
意味
社会人として生きる個々の人間が、だれしもそこから逃げることのできない宿命を負わされているこの世。一般に、そこには複雑な人間関係がもたらす矛盾とか政治経済の動きによる変化とかが見られ、許容しうる面と怒り・失望をいだかせる面とが混在するととらえらえる。
すごい語釈である。盲目のポジティブちゃんではとても耐えられない世の中だ。
この映画でも主人公は新聞に載って善人扱いされるが、一歩間違えたら悪人として新聞に載った可能性もあった。他人が決める世間的な評価の善悪は信用ならない。
行動する力や情熱には危うさや矛盾もついて回る。善人に見えた人が実は悪人に見えたり、その逆もまた然りである。
作中の恋愛模様も興味深いが、今月はこの辺で。今から読書感想文も書かないといけないので。
【追記】ウェブ担当の水野さんからアランドロンの記事がバズっているとの報告。久しぶりに読み返したらこのタクシードライバーと似た感情を抱けた。
明るく生こまい
佐藤嘉洋