映画『ラ・ラ・ランド』

仕事終わりに見始めたこともあって話の展開についていけず、途中で寝落ちしかけた。しかし、ジャズピアニスト扮する主人公と、チャンスを掴みとったヒロインの恋愛模様は、心の奥がズキズキしちゃ〜うの、とキューティーハニーばりのノリになってしまう。

「ずっと愛してる」

若かりし頃、誰もが誰かに告げたセリフだろう。しかしそのまま成就する人は、1%にも満たないだろう。
物語終盤、主人公がヒロインの前でピアノを弾くシーン。思い出すだけで鳥肌が立つ。

今のこの現実は、今のこの世界がすべて。しかしどこか違う空間には、他の誰かや、昔のパートナーと一緒に歩んでいる未来もあるに違いない。頭で思い描けることは、どこか違う世界で起こっている。良いも悪いも。

でも、自分はこの世界でよかった。あの人とあの人に出会えて、そして別れたりして、今の人間関係がある。恋愛だけにはとどまらず、仕事も、友達や仲間ともそう。あのとき違う決断をしていたら、今とは違う現実があったはずだ。すべての選択肢の分だけ世界がある。つまりは無限の世界だ。

楽しそうだけど無理なことは、他の世界の自分が楽しんでいるから、それでよしとしよう。

と思い込む。

明るく生こまい
佐藤嘉洋