映画『インセプション』

内容とは関係ないが、この映画では、主人公のディカプリオよりも渡辺謙の方が良い男に映っていた。
日本人の誇りですね。

夢の中へ行ってみたいと思いませんか

この映画、設定がとても興味深い。
主要人物が、共通の夢の世界に入っていく。
夢のまた夢のまた夢、つまり第三層まで入っていくというのだ。
現実世界の5分が、夢の中では数時間。
そして夢のまた夢はさらに掛け算がなされ、第三層では数年単位に時間が引き伸ばされるという。
そしてそして、更に深層の虚無の世界では、現実でたったの5分が数十年に感じられるという。
ところどころで無茶な展開もあって苦笑するところはあるけれど、その夢の中の設定自体には大変考えさせられるものがあった。

「夢っていうのはインスピレーションの連続だ」

と劇中のディカプリオは言った。
そして他人の夢の中に入り、深層心理にあるメッセージを埋め込むことによって、他人の行動を無意識にコントロールしてしまおう、という魂胆。
もしも本当にできるのだとしたら重犯罪である。
しかしこれに近いことは現実にもできるかもしれない。
たとえば熟睡している間にヘッドホンをかけられて、心地よい音楽に目が覚めない程度の音量で「あなたは『けしからんパイ』が好きになる。あなたは『けしからんパイ』が好きになる」と一か月くらい言われ続けたら、そこまで好きじゃないのに『けしからんパイ』が気になって仕方なくなってしまうかもしれない。
恐ろしいことである。
キックボクシングで名古屋から日本を元気に!
というキャッチコピーを私はよく使っているが(現在の企業理念)、これもいろいろな分野での勉強、経験をしたことによって思いついたに過ぎない。
決して自分ひとりで考え出したわけではないのである。
だから「著作権を主張する」というのは、その著作物で生活している人にとっては死活問題なので仕方ないけれど、根本的にはやや傲慢であるとも言える。
このHPのテキストや私のSNSなどを許可なく真似て使っている人もいるけれど、それはもう有難いことなのであって、「許可なく」と私自身が発していること自体が傲慢な思想なのである。
そんな私は傲慢ですので、謙虚さをなるべく心がけております。
今日見ていた夢は、他の誰かに植え付けられたメッセージかもしれない。
そしていつの間にか気になっていたものは、その夢によって植え付けられた誰かの策略なのかもしれない。

明るく生こまい
佐藤嘉洋

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