名古屋格闘技通信vol.30 チンギス・アラゾフvsマラット・グレゴリアン

グレゴリアンの圧力に負けず、超攻撃的アウトボクシングを披露したアラゾフ。キックは蹴り足の足先の強さと胴体の強さで、モーションは小さくとも強く、しなる。パンチは左右自在。打点の高い押し膝。インサイドから縦に割るような変則ハイキック。

対して、いつか相手の動きは落ちると信じて前に出続けたグレゴリアン。打ち出したら止まらないラッシュを見せてアラゾフを焦らせるが、アラゾフはすぐ反撃。左の蹴りを多彩に打ち分け、グレゴリアンのパンチと前進を華麗な身のこなしでかわす。
 
両者スタミナ度外視の運動量。互いに自分を貫き、全力を尽くす。アラゾフには距離を取っても殺傷力のあるキックが射程外から飛んでくる緊張感があり、相手は真に休めない。右前蹴りもタイミング絶妙。ダメージは無いが精神的に疲弊し、隙が生まれる。
 
終盤、消耗したグレゴリアンの前進が弱まった。最後はアラゾフが自分の距離を保ち、死闘を制した。
 
アラゾフは試合後、ペトロシアンとの対戦も示唆。会場にはK-1の和島、野杁、両王者の姿も。

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