JKF流持ち合いミットの心がけ。大切なのは「恐怖を乗り越える勇気」

2019年12月28日開催のK-1名古屋大会記者会見にて

JKF会員の皆さん、こんにちは。
マネジャーの佐藤嘉洋です。

『JKF流持ち合いミットの心がけ』についてお伝えします。

キックボクシングのトレーニングの中でも、実戦に近く、怪我も少ないのがミット打ちになります。
プロ選手にしても、試合のようなガチンコのスパーリングを毎日のように繰り返していては、ベストコンディションで試合のリングに上がることは難しいでしょう。
実際に現役時代の私も、試合の14日〜9日前にはガチンコのスパーリングは終了し、ダメージを抜くようにしていました。

身体的なダメージを少なく抑え、且つ高負荷をかけられるトレーニングがミット打ちです。
心拍数も上がるので有酸素運動になりますし、筋トレとしての効果もあります。
また、相手との呼吸を合わせないとミットはうまく打てません。
自然に相手との呼吸を合わせる術を身につけておけば、対人関係も自然とよくなる……かもしれません。
ミット打ちは大変効果の高いトレーニングなのです。

そこで!

もう一つ皆さんに体感してほしいものがあります。
それが

ミット持ち

です。
「打ち」ではなく「持ち」です。
実は、ミットは、打つのはもちろん持つのも大変有効なトレーニングになります。

JKF流持ち合いミットの利点

① ミットを持つことで地力がつく
② ディフェンス能力の向上に繋がる
③ メニューを組むことで頭の回転が速くなる
④ 思いやりの心を持てる
⑤ 持ち合いを重ねると信頼関係も築ける

その理由を説明します。

①ミットを持つことで地力がつく

ミットを打つのは瞬発的な動きになりますのが、ミットを持つのは全身で相手の技を受け止めることになります。
つまり、こらえる筋肉に作用します。
手先や腕だけで攻撃を楽に受けようとしないでください。
逆に手先や腕だけが疲れてトレーニング効果が薄れてしまいます。
せっかくミットを持つ時間をトレーニングに割くのですから、より効果的な持ち方をしましょう。
そしてその方が、相手もきっと打ちやすく感じるはずです。

全身で受け止めるつもりで

②ディフェンス能力の向上に繋がる

相手から目を逸らしていては、ミットはうまく持てません。
相手の攻撃をしっかりと見て、ミットで受けましょう。
つまり、ミットを持つことは、護身にも繋がります。

目を離さずに集中して

③メニューを組むことで頭の回転が速くなる

基本的にはミットは、持ち手が技の指示を出します。
最初のうちは何をやっていいかわからないという方も安心してください。
当然ながらミットの持ち方は、インストラクターが0から教えます。

まずはジャブ、ワンツー、右ミドル(5回)
つぎにジャブ、ワンツー、左ミドル(5回)

これを繰り返すだけで大丈夫です。
ミット持ちを何度かやっていただき、少し慣れてきたら、

左右の前蹴りを5回ずつ

加えてみましょう。
距離やミットの受け方が上手くなれば、これらの技だけでも十分に運動効果を望めます。

「習うより慣れろ」とはまさにこのことで、どれだけ最初に苦労していた人でも、そのうちカッコよくミットを持つことができるようになります。
ミット持ちをある程度うまくできるようになると、頭の回転も速くなります。
ミットを持つ方が、打つ方に指示を与えるからです。
強制的に頭を使わざるを得ません。

私は、2015年にプロを引退してから本格的にミット持ちの研究を始めました。
そしてあのときよりもミットを持つのが随分とうまくなりました。
そのおかげか頭の回転は、以前よりも格段に速くなっております(『#辞書の旅』の効果もあるでしょう!)。

イケメンの向こうで持ち合いミット

④思いやりの心を持てる

初めての人とミットの持ち合いをするときって怖くないですか?
私は、いまだに怖いです(笑)
でも、この恐怖感があるからこそ、緊張感を持って受けることができます。
緊張感を持つことで、怪我の可能性はぐんと減らせます。
怖いという感情は、とっても大事です。

また、ミットを持つ怖さを知らない人は、無茶苦茶なパンチやキックを出してくることもあります。
しかし、ミットを持つ怖さを少し知ってもらえれば、だいたい収まります。

怖さを知れば、思いやりの心を持つことができます。

恐怖感は大切な感情

⑤持ち合いを重ねると信頼関係も築ける

ミットの持ち合いは、コミュニケーションなくしては成り立ちません。
JKFでは、キックボクシングも武道の一環として考え、ミット持ち合い時の

「お願いします」
「ありがとうございます」

は、必ず言ってもらうようにしています。
目で会話する、という感じも有りだとは思いますが、せっかくですからこのジムでは口に出して挨拶してみましょう。

気持ちのいい挨拶の行き交うジム内

最初のうちは、ミットを上手く持てないことがほとんどです。
「うまくやれなくて相手に迷惑をかけてしまうかもしれない」と、ちょっと後ろ向きな気持ちになるのも当然わかります。

何度も言いますが、すべては慣れです。
まだミットをうまく持てないうちは、インストラクターがオマケのミットでフォローしますのでどうぞご安心ください。
どんなに不器用な会員さまでも、何度かやっていくうちに必ず上手になります。
どんどん持ち合いミットをやっていきましょう。

ミットを持つのが上手になってくると、キックボクシングの技術も自然と上手くなるパターンがほとんどです。
ミットの持ち合いで仲良くなり、一緒に飲みに行ったりするようになった会員さまもいらっしゃいます。
年齢も性別も職業も関係なく、自分の人生とは全然違う人生を歩んできた人の話を聞くのって楽しくないですか?
私は好きです。

もちろん、絶対に仲良くならないといけない、という訳ではなく、ジムに来たときにちょっと顔を合わせて

「あ、どうも!」

と軽く挨拶を言い合えある関係って気持ちいいと思うんです。

また、「今日は人とあまりコミュニケーションを取らずに黙々とやりたい」という場合もありますよね。
そんなときもご安心ください。
JKFは会員さまのその日の気分にも対応します。
受付時のミットのメニューに◯を打たなければ、インストラクターが無理にやらせることは一切ありません
ご安心ください。

おかげさまでインストラクターが調子の悪いときや混雑時には、恐れ多くも会員さまに助けていただくこともあります。

この場を借りまして、厚く御礼申し上げます。

JKFのすべての会員さまは、私佐藤嘉洋の構築したキックボクシングフィットネスのカリキュラムを習っていただいております。
だから、技術体系が同じなので、なるべく統一された指導体系となっています。

私は、キックボクシングという天職に出会えたことを本当に幸運に思います。
そして運良く、諸先輩方たちがキックボクシングフィットネスの灯を起こし、たまたま私もそこにいます。

下の動画は先輩の鈴木秀明さんです。
なんとこのミット、1年半ぶりで、しかも過去にたった1回ミットを持ってもらっただけの関係値です。
それでもお互い、身体と身体で対話すれば、このようにそこそこ息の合ったミット打ちになるのですね。
私もまだまだ勉強中の身です。
皆さんと一緒にキックボクシングフィットネスを構築していけたらと願っております。

キックボクシングで名古屋から日本を元気に!

明るく生こまい
佐藤嘉洋

この記事を書いた人